労働トラブル事例とその対策について解説
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■業務終了後にアルバイトしている従業員を解雇できるか? 


■労働トラブル対策

兼業については、法令等で禁止されているわけではありませんので、兼業したとしても当然に違法になるわけではありません。(ただし、公務員は法律で兼業が禁止されています。)

よって、業務終了後にアルバイトしている従業員を懲戒処分として解雇するためには、就業規則や個別の労働契約でその旨定めている必要があります。

しかし、労働者が使用者の指揮命令下にあるのは、就業規則等によって定められた労働時間内だけなので、労働時間中にネット等を利用してアルバイトをしている場合には、問題なく懲戒処分することは可能ですが、本来労働者の自由な時間である業務終了後の時間にまで兼業を禁止し、その規定に違反した労働者に対して懲戒処分をするためには、兼業禁止規定が合理的なものであるかどうかで判断されることになります。

具体的には、労働者の自由な時間である業務終了後の兼業であっても、次のような場合は懲戒処分にしても問題ないと思います。
しかし、例え就業規則等で禁止していても、会社の業務に全く影響を及ぼさない(または及ぼす恐れのない)兼業をしただけなら、そのことをもって懲戒処分することは難しいと思います。

■兼業によって疲れてしまい、会社の業務に影響を及ぼす場合
■会社と同様な業務を自ら起業した場合
■ライバル会社でアルバイトした場合
■風俗店でアルバイトするなど等で会社の信用を傷つけるような場合

しかしながら、上記に該当する場合でも、実際に懲戒処分をするには、証拠をしっかり揃え、本人に弁明する機会を与えた後に行う必要があります。

※兼業により、会社の業務に影響を及ぼしている場合などは、勤務成績や遅刻欠勤の記録を揃え、業務に影響を与えていることを客観的に証明できるようにする必要があります。

(参考)
最近では、会社側にしても毎年一定額の昇給や賞与を保障することができないので、全面的に兼業を禁止することは難しくなってきています。
よって、実務上では、就業規則等で兼業を禁止するのではなく、事前の許可制にするのが良いと思います。

そうすることにより、兼業の内容を会社側が把握できることになり、また兼業が勤務に影響を与えそうな場合や会社の信用を傷つけるような行為に対しては、不許可にすることができるようになります。

そして、許可を受けずに黙って兼業した場合については、懲戒処分にすることを就業規則等に明記しておくことで、「会社にばれなければ大丈夫」といった従業員のモラルの低下を防ぐことができます。

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