男女雇用機会均等法の基礎知識について解説
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■深夜業に従事する女性労働者に対する措置


■事業主の努力義務

事業主は、女性労働者の職業生活の充実を図るため、当分の間、女性労働者を深夜業に従事させる場合には、通勤及び業務の遂行の際における当該女性労働者の安全の確保に必要な措置を講ずるように努めなければなりません。

■制度趣旨

平成11年4月1日以降女性労働者に対する深夜業の規制が解消されるが、女性が充実した職業生活を送るためには、深夜業に従事する女性労働者の通勤及び業務の遂行の際における防犯面からの安全の確保が必要です。
しかしながら、従来女性の深夜業は原則として法律上禁止されていたため、事業主において深夜業に従事する女性労働者の安全の確保に関する取組が十分になされない懸念も存在しています。
このため、この規定は、男女雇用機会均等法の基本理念(法第2条第2項)に規定された事業主の責務の一部を具体化するものとして、事業主は、当分の間、女性労働者を深夜業に従事させる場合には、通勤及び業務の遂行の際における当該女性労働者の安全の確保に必要な措置を講ずるように努めなければならないことを定めたものです。

■事業主が講じるべき具体的事項について

1.通勤及び業務の遂行の際における安全の確保
事業主は、次のような措置を講じることにより、深夜業に従事する女性労働者の通勤の際における安全を確保するよう努める必要があります。
また、事業主は、防犯上の観点から、深夜業に従事する女性労働者が1人で作業をすることを避けるよう努めるなければなりません。

送迎バスの運行
公共交通機関の運行時間に配慮した勤務時間の設定
従業員駐車場の防犯灯の整備
防犯ベルの貸与等を行うこと

2.子の養育又は家族の介護等の事情に関する配慮
事業主は、その雇用する女性労働者を新たに深夜業に従事させようとする場合には、子の養育又は家族の介護、健康等に関する事情を聴くこと等について配慮を行うよう努める必要があります。
なお、事業主は、子の養育又は家族の介護を行う一定範囲の労働者が請求した場合には、「育児介護休業法」の定めるところにより、深夜業をさせてはなりません。

3.仮眠室、休養室等の整備
事業主は、夜間に労働者に睡眠を与える必要のあるとき又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会があるときは、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則の定めるところにより、男性用と女性用に区別して、適当な睡眠又は仮眠の場所を設けなければなりません。
なお、事業主は、同法に基づく同令の定めるところにより、男性用と女性用に区別して便所及び休養室等を設ける必要があります。

4.健康診断等
事業主は、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則の定めるところにより、深夜業を含む業務に常時従事させようとする労働者を雇い入れる際、又は当該業務への配置替えを行う際及び6月以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければなりません。
また、事業主は、健康診断の結果、当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された場合には、同法の定めるところにより、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、深夜以外の時間帯における就業への転換、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講じる必要があります。
なお、事業主は、労働基準法の定めるところにより、妊産婦が請求した場合には、深夜業をさせてはなりません。

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