男女雇用機会均等法の基礎知識について解説
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■配置、昇進及び教育訓練


配置、昇進及び教育訓練

配置及び昇進は労働者の待遇にとって重要なものです。また、教育訓練は配置及び昇進に当たっての基本的な条件となる業務遂行能力を付与するものであるので配置及び昇進と密接な関係を有するものです。

よって、事業主は、労働者の配置、昇進及び教育訓練について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはなりません。

■注意事項
1.配置
配置とは、労働者を一定の職務に就けること又は就いている状態をいい、従事すべき職務の内容及び就業の場所を主要な要素とするものをいいます。
なお、個々の業務の遂行を命ずる業務命令は「配置」には含まれません。
そして、「配置」には、採用に引き続いて行う場合と配置転換によりある職務へと変える場合のいずれも含まれます。
また、いわゆる出向及び労働者派遣も「配置」に含まれます。
したがって、派遣元事業主が派遣先からの男性又は女性と指定をした労働者派遣の要請に応じることは、この規定に違反することになり、派遣先がそのような要請をすることは、この規定の趣旨に照らして好ましくないものです。

2.昇進
昇進とは、企業内での労働者の位置付けにおいて下位職階から上位職階への移動を行うことをいいます。また、課長・係長等の職制上の地位の上方移動を伴わないいわゆる「昇格」も含まれます。ただし、いわゆる定期昇給やベース・アップについては含まれません。

3.教育訓練
教育訓練とは、事業主が、その雇用する労働者に対して、その労働者の業務の遂行の過程外(いわゆるオフ・ザ・ジョブ・トレーニング)において又は当該業務の遂行の過程内(いわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニング)において、現在及び将来の業務の遂行に必要な能力を付与するために行うものをいいます。
また、業務の遂行に関連する知識、技術、技能を付与するもののみならず、社会人としての心構えや一般教養等の付与を目的とする教育訓練も含まれます。
そして、「教育訓練」には、事業主が自ら行うもののほか、外部の教育訓練機関等に委託して実施するものも含まれます。
なお、業務の遂行の過程内において行う教育訓練については、明確な訓練目標が立てられ、担当する者が定められている等計画性を有するものについては「教育訓練」に該当しますが、単に見よう見まねの訓練や個々の業務指示については含まれません。

(参考)
この規定に違反する措置
配置に関する事項
女性であることを理由として、配置の対象から女性労働者を排除すること。
婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、配置の対象から排除すること。
配置に当たり一定の資格を有することその他の条件を付す場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる条件を付すこと。
配置に当たりその資格について試験を実施する場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる取扱いをすること。
配置に当たり、配置の基準を満たす労働者の中からその職務に配置する労働者を選考する場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる取扱いをすること。
女性であることを理由として、女性労働者についてのみ、不利益な配置転換をすること。
婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、不利益な配置転換をすること。
昇進に関する事項
女性であることを理由として、昇進の対象から女性労働者を排除すること。
婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、昇進の対象から排除すること。
昇進に当たり、出勤率、勤続年数その他の条件を付す場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる条件を付すこと。
昇進のための試験を実施する場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる取扱いをすること。
昇進に当たり、昇進の基準を満たす労働者の中から昇進させる労働者を選考する場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる取扱いをすること。
昇進に当たって、女性であることを理由として、昇進の対象を女性労働者のみとすること。
昇進に当たって、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、昇進の対象とすること。
教育訓練に関する事項
女性であることを理由として、教育訓練の対象から女性労働者を排除すること。
婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、教育訓練の対象から排除すること。
教育訓練の実施に当たり、勤続年数その他の条件を付す場合において、女性労働者に対して男性労働者と異なる条件を付すこと。
教育訓練の実施について、女性労働者に対して男性労働者と異なる取扱いをすること。
教育訓練に当たって、女性であることを理由として、教育訓練の対象を女性労働者のみとすること。
教育訓練に当たって、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女性労働者についてのみ、教育訓練の対象とすること。

この規定の適用が除外される場合
芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から一方の性に従事させることが必要である職業
守衛、警備員等防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職業
宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上その他の業務の性質上いずれか一方の性に従事させることについて必要性があると認められる職業
労働基準法の規定により女性の労働が制限され、又は禁止されていることから、通常の業務を遂行するために、女性に対して男性と均等な機会を与えること又は女性労働者に対して男性労働者と均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
特別の事情により女性に対して男性と均等な機会を与えること又は女性労働者に対して男性労働者と均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合

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