育児介護休業法の基礎知識について解説
ねっと就業規則相談室
トップページ > 育児介護休業法の豆知識 >  事業主の義務等
■事業主の義務等


■事業主の義務

事業主は、労働者から育児休業の申出があったときは、その申出を拒むことはできません

ただし、労使協定で育児休業することができない労働者として定めた場合には、その労働者からの育児休業の申立を拒むことは可能です。

※労使協定とは?
労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定のことをいいます。

■労使協定により育児休業の対象から除外できる労働者

次に該当する場合については、労使協定を締結することにより、育児休業できない者として定めることができます。

事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない場合
労働者の配偶者(育児休業申出に係る子の親であるもの)が、常態として子の養育することができる場合
育児休業を拒むことについて合理的な理由がある場合

(参考)
■「常態として子の養育することができる場合」とは?
次のいずれにも該当する者をいいます。
職業に就いていない者であること
疾病や障害等により子を養育することが困難な状態にある者でないこと
6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定であるか又は産後8週間を経過していない者でないこと
育児休業の申出をする子と同居している者であること

■「合理的な理由」とは?
次の場合が該当します。
申出日から1年(1歳から1歳6月までの子を対象とする育児休業の申出の場合は6月)以内に退職することが決定している場合
1週間の所定労働日数が著しく少ない(週2日以下)の場合
労働者とその配偶者以外の者(育児休業申出に係る子の親であるもの)が常態として子の養育をすることができる場合

■育児休業開始予定日の指定

労働者からの育児休業の申出があった場合に、申出日と育児休業開始予定日の間に日数の余裕がないときは、事業主も休業中の仕事の引継ぎや人員配置等で頭を悩ますことも考えられます。

そこで、育児休業の申出があった日の翌日から起算して1ヵ月(1歳から1歳6月までの子を対象とする育児休業の申出の場合は2週間経過日前までに、育児休業開始予定日がある場合は、事業主は申出のあった育児休業開始予定日から1ヵ月(1歳から1歳6月までの子を対象とする育児休業の申出の場合は2週間)経過日までの間のいずれかの日を育児休業開始予定日として指定することができます。

なお、事業主が育児休業開始予定日を指定する場合は、申出日の翌日から3日以内(育児休業開始予定日として指定する日が3日以内である場合は、育児休業開始予定日まで)に書面で指定しなければなりません。

具体例
育児休業申出日 → 9月1日
育児休業開始予定日 → 9月15日
1ヵ月経過日 → 10月1日

育児休業申出日(9月1日)から1ヵ月経過日(10月1日)までの間に育児休業開始予定日(9月15日)があるので、事業主は、申出者が希望した育児休業開始予定日(9月15日)から1ヵ月経過日(10月1日)までの間のいずれかの日を育児休業開始日として指定することができます。

(参考)
■やむを得ない事由が生じた場合
ただし、やむを得ない事由が生じたために急遽育児休業の申出をした場合には、育児休業申出日の翌日から起算して1週間経過日までの範囲内で事業主は育児休業開始日を指定することになります。

やむを得ない事由とは?
・出産予定日前に子が出生したとき
・子の親である配偶者が死亡したとき
・配偶者が疾病等により子を養育することが困難になったとき
・配偶者が子と同居しなくなったとき


具体例
育児休業申出日 → 9月1日
育児休業開始予定日 → 9月3日
1週間経過日 → 9月8日

育児休業申出日(9月1日)から1週間経過日(9月8日)までの間に育児休業開始予定日(9月3日)があるので、事業主は、申出者が希望した育児休業開始予定日(9月3日)から1週間経過日(9月8日)までの間のいずれかの日を育児休業開始日として指定することになります。

→育児介護休業法の豆知識にもどる
労務管理ノウハウ集 | 労働トラブル対策 | 労働基準法の豆知識 | 男女雇用機会均等法の豆知識
育児介護休業法の豆知識 | 就業規則について | どんなときに就業規則を作成するのか? | 就業規則の作成手順
就業規則の変更について | 社会保険労務士に依頼するメリット
Copyright (C) 2006 ねっと就業規則相談室.All Rights Reserved.